令和元年度長野市包括外部監査より②(総合事業)

令和元年度に携わらせていただきました長野市包括外部監査ですが、、介護・介護予防というテーマと関連する項目について措置状況が公開されていましたのでご紹介させていただきます。

介護予防・日常生活支援総合事業(移動支援サービス) 利用者のニーズの把握について【意見】(報告書199 ページ)


移動支援サービスは、サービスD として厚生労働省より訪問型サービス類型のモデルケースとして例示されている。総合事業開始時、市では他のサービス類型(A からC)の導入を優先して検討し、移動支援サービスの導入は積極的に検討されなかった。介護予防・生活支援サービスは介護保険特別会計で行われており、利用者は要介護認定の要支援相当の人が想定されている。国のガイドラインによって、利用者の半数以上が要支援相当の人であれば、間接経費部分のみがサービス提供団体への補助金交付対象として認められてはいるが、サービスD の提供のみでは地域住民のニーズを満たすことは難しいと考えられる。また、モデルケースにおける実施方法は住民主体サービス(ボランティア主体によるサービス)に準じているため、地域住民の理解や協力が欠かすことができず、導入には時間を要するサービスでもある。このため、第五次長野市総合計画やあんしんいきいきプラン21 に実施事業として記載はあるが、現在、地域包括ケア推進課を中心として、長野市社会福祉協議会、交通政策課、障害福祉課等と連携し、導入に向け検討中である。本市において支援を希望する者は多いことは住民意見交換回答で明らかになっている。移動支援サービスは、今後特に需要の高まるサービスとして、早急に制度設計を進めていく必要があると思われ、地域住民の意見等もよく踏まえた上で、導入に向けた重点的な協議と、早期の実施が望まれる。

措置状況(令和2年7月30日)

本市では、市社協が主体となり、地域住民の有償ボランティアが移動支援サービスを提供する「地域たすけあい事業」を実施している。今後、総合事業のサービスDとして介護保険財源を活用することを含め、各関係者と協議を進めたい。(地域包括ケア推進課)

コメント

私がお会いする方々からも、よく移動が不便だというお声を耳にします。住民意見交換の回答からも、長野市の地理的環境を考えても、移動支援のサービスの充実の必要性は高いと思います。地域たすけあい事業の福祉移送のさらなる充実によって要望に応えられるのであれば、必ずしもサービスDを導入しなくともよいかもしれません。ただ、移動支援についてはサービスが重複しても特に弊害はなく、選択肢が増えることはメリットと考えられます。どちらも地域ボランティアを前提としたサービスになりますから、体制の整備を協議するとともに、地域住民への周知と理解を進めていっていただければと思います。私もそうした事業があるということを折に触れてご紹介していきたいと思います。